日本のダム 摺上川ダム
摺上川ダムは、福島県福島市飯坂町茂庭に位置し、一級河川・阿武隈川水系摺上川に建設された中央土質遮水壁型ロックフィルダムです。1982年に着工し、2006年に竣工しました。ダム湖は「茂庭っ湖(もにわっこ)」と呼ばれています。
ダムの特徴と機能
摺上川ダムは堤高105.0メートル、堤頂長718.6メートル、総貯水容量153,000,000立方メートルの大規模なダムで、東北地方では有数の規模を誇ります。主な利用目的は、洪水調節、不特定利水、灌漑、上水道、工業用水、発電です。ダムの管理は国土交通省東北地方整備局が行い、東北電力が3,000kWの発電を行っています。
ダムの建設と歴史
1966年、福島市が将来の水需要を予測し調査した結果、摺上川上流部にダムを建設することが適当とされました。1973年には国が予備調査を行い、1982年に実施計画調査が開始されました。1994年に本体工事が開始され、2004年に試験湛水が行われ、2005年に完成しました。ダム建設により国道399号の付け替え工事も行われました。
利用目的と効果
摺上川ダムは、下流域の福島盆地や宮城県内の洪水防止、湯野地区などの灌漑用水、福島市や二本松市などの上水道供給に貢献しています。また、東北電力による水力発電も行われています。ダム湖「茂庭っ湖」は周辺住民からの公募で命名され、湖周辺は公園として整備されています。
摺上川ダムの魅力
摺上川ダムは、その規模と多様な利用目的から地域の治水と利水に大きく貢献しています。美しい「茂庭っ湖」周辺の自然環境も魅力的で、観光やレクリエーションの場としても親しまれています。
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日本のダム 新宮川ダム
新宮川ダムは、福島県大沼郡会津美里町に位置し、一級水系阿賀野川水系の宮川に建設された重力式コンクリートダムです。1978年に着工し、2004年に竣工しました。主な利用目的は水力発電と農業利水であり、ダム湖は「会津美里湖」と命名されています。
ダムの特徴と機能
新宮川ダムの堤高は69.0メートル、堤頂長は325.0メートル、総貯水容量は10,320,000立方メートルです。ダムの操作は受益者である会津宮川土地改良区が行い、ダム湖からは4,500ヘクタールの農地に灌漑用水が供給されています。ダムはゲートレス式で、天端部分には自由越流式の洪水吐が設けられています。
建設と運用の歴史
当初はフィルダムとして計画されていましたが、地形の急峻さから重力式コンクリートダムに変更されました。農林水産省管轄のダムとして初めてRCD工法が採用され、工期の短縮やコスト削減が図られました。工事期間中、希少な猛禽類の保護対策も講じられ、これらの取り組みにより2003年度ダム工学会技術賞を受賞しました。
また、2000年には新宮川水力発電所が追加建設され、ダムの放流落差を利用して1,100kWの電力を発生しています。この電力はダムの運営に必要な電力を賄い、余剰分は東北電力に売電されています。
新宮川ダムの課題と対策
2018年の猛暑により、運用開始以来初めて貯水率が0%となる事態が発生しました。これは異常気象への対応策が今後も必要であることを示しています。
観光と周辺施設
新宮川ダムは見学が可能ですが、事前申し込みが必要です。ダムカードは会津美里町中心部の会津宮川土地改良区事務所で配布されています。周辺には鶴沼川防災事業により建設された宮川ダムもあり、これらのダムは福島県によって一元的に管理されています。
新宮川ダムの魅力
新宮川ダムは、地域の農業と電力供給に大きく貢献しています。その技術的革新や自然保護の取り組みは高く評価されており、地域の生活や環境にも良い影響を与えています。
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日本のダム 下北沢ダム
下北沢ダムは、福島県郡山市逢瀬町に位置し、阿武隈川水系の支流に建設された灌漑用ダムです。1935年に竣工したこのダムは、アースダム型式で、堤高は19.0メートル、堤頂長は66.0メートル、総貯水容量は454,000立方メートルです。主な利用目的は灌漑です。
ダムの特徴と利用
下北沢ダムは郡山市街地西端の丘陵地に位置し、ダム湖は北沢池と呼ばれています。このダム池は養鯉場として利用されており、ダム堤直下には養鯉施設の建物があります。また、本ダムの近くには新安積疏水・深田調整池があり、地域の農業や水管理に重要な役割を果たしています。
歴史と背景
下北沢ダムは1935年に完成し、郡山市によって管理されています。アースダム型式で建設されており、堤体積は45,000立方メートルです。主に灌漑用水の供給を目的としており、地域の農業発展に貢献しています。
下北沢ダムの魅力
下北沢ダムは、その歴史と地域の農業支援において重要な役割を果たしています。また、養鯉場としての利用も特徴的で、美しい景観とともに地域に親しまれています。ダム周辺の自然環境や施設は、観光やレクリエーションの場としても利用されています。
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日本のダム 蓬萊ダム
蓬萊ダムは、福島県二本松市下川崎と福島市飯野町の境界に位置し、阿武隈川水系の阿武隈川に建設された重力式コンクリートダムです。1936年に着工し、1938年に竣工したこのダムは、東北電力によって管理され、発電を主な目的としています。堤高は21.5メートル、堤頂長は133.3メートル、総貯水容量は3,803,000立方メートルです。
歴史と建設経緯
1936年に設立された東北振興電力が、阿武隈川水系最大規模の水力発電所となる蓬萊発電所の建設を計画し、1936年に起工されました。蓬萊ダムは、福島県中通りを流れる阿武隈川が福島盆地にさしかかる手前の阿武隈峡に建設されました。工事中には洪水に見舞われることもありましたが、適切な対策により大きな被害を防ぎ、1938年に発電所の運転が開始されました。
発電とダムの役割
蓬萊ダムは東北電力の発電用ダムで、蓬萊発電所(38,500kW)および飯野発電所(230kW)に送水し、合計最大3万8,730キロワットの電力を発生します。2013年には、蓬萊ダムからの河川維持流量を利用して飯野発電所の建設が開始され、2014年に運転を開始しました。これは、河川維持流量を発電に利用する初の試みでした。
周辺地域と観光
蓬萊ダム周辺には桜の木が植えられており、春には花見客が多く訪れる名所となっています。また、ダム湖はカヌーレーシング公認コースとしても利用されています。ダム湖沿いには遊歩道が整備されており、観光地としても親しまれています。
蓬萊ダムの魅力
蓬萊ダムは、福島県の電力供給に重要な役割を果たしており、その歴史的価値とともに、観光地としても多くの人々に親しまれています。四季折々の自然景観を楽しむことができ、地域経済や観光振興にも貢献しています。
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日本のダム 四時ダム
四時ダムの概要
四時ダムは、福島県いわき市に位置し、鮫川水系の四時川に建設されたロックフィルダムです。1970年に着工し、1984年に完成したこのダムは、洪水調節、上水道、工業用水の供給を目的としています。堤高は83.5メートル、堤頂長は300メートル、総貯水容量は12,100,000立方メートルです。ダム湖は「四時湖」と呼ばれています。
ダムの特徴と設備
四時ダムは、鮫川の治水といわき市南部地域への利水を目的とした特定多目的ダムです。鮫川本流の高柴ダムとともに、鮫川の治水に大きく寄与しています。ダムの管理は福島県鮫川水系ダム管理事務所が行っており、ダム湖周辺では「四時ダム祭り」が毎年開催されています。この祭りでは、ステージイベントやフリーマーケット、ボート体験などが行われ、一般市民にも親しまれています。
ダムの歴史と建設経緯
四時川下流部は過去に水害に悩まされていた地域であり、1964年と1966年には大きな水害が発生しました。いわき市の成立と新産業都市指定に伴い、工業用水と上水道の確保が急務となり、1968年に予備調査が開始されました。1970年に実施計画調査が始まり、1973年に事業採択、1978年に本体工事が着工され、1983年に完成しました。この工事により、国道289号の改良工事も行われ、四時トンネルが開通しました。
ダムの水利用と特色
四時ダムの管理所では、湖水をろ過した飲料水が「銘水四時ダム」として提供されています。この水は濁りが少なく、飲用に適していることが確認され、希望者に提供されています。管理所内の水道水は「おいしい水」として評判であり、市民からも人気があります。
四時ダムの魅力
四時ダムは、地域の治水と利水に大きく貢献しているだけでなく、四時湖の美しい景観や年間イベントである「四時ダム祭り」など、市民に親しまれるダムとなっています。また、飲用水としても評価が高く、「銘水四時ダム」として提供される水は、多くの人々に愛されています。
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