日本のダム 庄川合口ダム



富山県砺波市を流れる庄川。その本流で最も下流に位置するのが 庄川合口ダム です。

高さ18.5mと決して大きなダムではありません。
しかし、このダムが果たしてきた役割は非常に大きく、砺波平野の農業発展を語るうえで欠かせない存在です。

「巨大ダムの迫力」ではなく、
地域の暮らしと農業を支えてきた歴史と価値 が、このダム最大の魅力です。

◆ 庄川合口ダムとは?
● 富山県最大の穀倉地帯を支える取水ダム

庄川合口ダムは、庄川から農業用水を安定して取水するために建設された重力式コンクリートダムです。

所在地:砺波市
河川名:庄川水系 庄川
型式:重力式コンクリートダム
堤高:18.5m
完成:1939年
目的:かんがい・上水道・発電
別名:舟戸ダム、庄川用水合口ダム

現在も砺波平野の広大な農地へ水を送り続けています。

◆ 行きたくなる理由 ― 庄川合口ダムの魅力
● ① 富山の農業を変えた“歴史的ダム”

庄川流域ではかつて、それぞれの用水路が独自に取水を行っていました。

しかし、

洪水で取水堰が流される
渇水時に水争いが起きる
河道変化で取水が困難になる

といった問題が続いていました。

そこで複数の取水口を一つに統合する「合口化」が行われ、1939年に庄川合口ダムが完成しました。これにより約11,000haもの農地へ安定した用水供給が可能となりました。

● ② レトロなゲートが美しい

庄川合口ダムの特徴は、並ぶラジアルゲート。

現代の大型ダムとは異なる昭和初期らしいデザインが残されており、

赤いゲート
低く横長の堤体
重厚なコンクリート

が独特の雰囲気を醸し出しています。

● ③ 登録有形文化財に指定

庄川合口ダムは2004年に 登録有形文化財 に登録されました。

単なるインフラではなく、

土木技術史
農業史
富山県の発展史

を今に伝える貴重な文化遺産でもあります。

● ④ 庄川水記念公園と一緒に楽しめる

ダムのすぐ近くには 庄川水記念公園 があります。

園内には

水資料館
遊歩道
展望スポット

などが整備されており、ダム見学と合わせて楽しめます。

◆ 見学のポイント
● 天端を歩ける

庄川合口ダムは天端の通行が可能です。

実際に歩きながら、

ゲート構造
取水設備
魚道

などを観察できます。

● 魚道にも注目

左岸には魚が遡上できる魚道が整備されています。

農業用ダムでありながら、生態系への配慮が行われている点も見どころです。

◆ アクセス・注意点
アクセス:砺波ICから車で約20分
見学:天端・周辺公園
駐車場:庄川水記念公園利用可
見学おすすめ季節:春〜秋

周辺は観光地でもあるため、休日は比較的訪れやすい環境が整っています。

◆ まとめ ― 庄川合口ダムは“富山の農業遺産”

庄川合口ダムは、

砺波平野を潤す重要な取水ダム
昭和初期に完成した歴史的土木施設
登録有形文化財
今も現役で活躍する農業インフラ
庄川水記念公園と合わせて楽しめるスポット

という魅力を持っています。

黒部ダムのような巨大スケールはありませんが、
富山県の発展を陰で支えてきた“縁の下の力持ち”。

ダム好きはもちろん、歴史や農業土木に興味のある人にもぜひ訪れてほしい名ダムです。