日本のダム 黒又川第一ダム



新潟県魚沼市、深い山々に刻まれた黒又川。その流れを段階的に利用するために造られたのが「黒又川ダム群」です。
その中で、実質的な“要”として機能しているのが 黒又川第一ダム。静かな山峡に溶け込みながら、今もなお電力を生み出し続ける、堅実で渋い発電ダムです。

黒又川第一ダムの概要

所在地:新潟県魚沼市

河川名:信濃川水系・黒又川

型式:重力式コンクリートダム

目的:発電専用

管理者:東北電力

特徴:黒又川ダム群(黒又ダム・第一ダム・第二ダムなど)の中核施設

派手な観光要素はありませんが、発電効率と地形利用を突き詰めた“実務のダム”。それが黒又川第一ダムです。

黒又川ダム群の中での役割

黒又川第一ダムは、上流にある黒又ダムからの水を受け、
さらに下流の発電施設へと水をつなぐ段階式発電システムの中心に位置しています。

この「落差を無駄にしない」設計は、山岳地帯の水力発電では王道とも言える方式。
一見地味ですが、日本の安定した電力供給を支えてきた、非常に合理的な構造です。

山と一体化した景観美

黒又川第一ダムの魅力は、人工物でありながら自然に溶け込んでいること。

谷あいにすっと立つコンクリートの堤体

水量控えめで落ち着いたダム湖

周囲を覆うブナや広葉樹の森

巨大さで圧倒するタイプではなく、「山の一部としてそこに在る」感覚。
静かな場所が好きな人ほど、心に残るダムです。

見学のポイント

堤体の近さ:道路や橋から比較的近く、構造を間近で感じられる

下流側の眺め:黒又川の渓流と堤体のバランスが美しい

季節の変化:

春:雪解け水と新緑

夏:深緑に包まれた静寂

秋:渓谷の紅葉

冬:雪に沈む無音の世界

観光地化されていない分、自然の音がそのまま残っています。

黒又ダムとセットで訪れたい理由

黒又川第一ダムは、すぐ上流の 黒又ダム と合わせて訪れることで魅力が倍増します。

大正期の歴史を感じる黒又ダム

戦後以降の合理設計を体現する黒又川第一ダム

同じ川、同じ目的でも、時代によるダムの思想の違いがはっきり見えるのが、このエリア最大の面白さです。

アクセスと注意点

アクセス:魚沼市街から黒又川沿いを車で進む

駐車:発電施設周辺に停車可能な場所あり(現地配慮必須)

注意:

冬季は積雪・凍結あり

発電施設のため立入制限区域あり

見学はあくまで外観中心

まとめ

黒又川第一ダムは、
「静か」「実務的」「山に溶け込む」――そんな言葉がよく似合うダムです。

黒又川ダム群の中核

山岳地帯ならではの段階式発電

派手さのない、渋い構造美

自然と人工の境界があいまいになる風景

ダム巡りが好きな人はもちろん、
静かな場所で“働くインフラ”を感じたい人にこそ訪れてほしい一基。

次に魚沼の山へ入るときは、
ぜひ黒又ダムとあわせて、黒又川第一ダムの前に立ってみてください。