日本のダム 塩原ダム



塩原ダム(しおばらダム)は、栃木県那須塩原市関谷に位置し、那珂川水系箒川に建設された重力式コンクリートダムです。堤高60.0メートル、堤頂長240.0メートル、総貯水容量8,760,000立方メートル、有効貯水容量5,760,000立方メートルを持ち、1969年に着工、1978年に竣工しました。ダム湖は「塩原湖」と呼ばれています。

主な目的と機能
洪水調節
不特定利水
農業用水の灌漑供給

塩原ダムは、箒川流域の洪水調整に加え、下流の塩那台地の農業振興や早期田植えに対応するための農業用水の安定供給という役割を持ちます。
なお、発電機能は持ちません。

沿革・建設の背景
ダム建設以前から、箒川では「中小河川改修事業」が行われてきましたが、水害防止のためのより確実な対策が求められていました。また、塩那台地の農地では春先の用水不足が課題となっており、これに対応するために補助多目的ダムとして塩原ダムの建設が決定されました。

観光資源:もみじ谷大吊橋
塩原ダムは日光国立公園内に位置し、塩原温泉郷や潜竜峡にほど近く、自然景観にも優れています。
右岸には「塩原ダム公園」が整備され、
1999年にはダム湖に架かる全長320mのもみじ谷大吊橋(無補剛桁歩道吊橋として本州一の長さ)が完成。紅葉や新緑シーズンには多くの観光客でにぎわい、年間50万人が訪れています。

※ 2013年には「恋人の聖地」にも認定されました。

その他の情報
施工業者:鹿島建設・フジタ

管理者:栃木県
所在地:栃木県那須塩原市関谷字西山
流域面積:119.5km²
湛水面積:41.0ha

塩原ダムの魅力まとめ
塩原ダムは、水害対策と農業振興を支える多目的ダムでありながら、美しい自然環境と吊橋観光で多くの人を惹きつけるスポットでもあります。まさに、機能性と景観の両立を実現した地域の誇りと言えるダムです。