黒部ダムは、栃木県日光市黒部に位置し、利根川水系鬼怒川に建設された重力式コンクリートダムです。堤高28.7メートル、堤頂長150.0メートル、総貯水容量2,366,000立方メートルの規模を持ち、1911年に着工し、1912年に竣工しました。主な目的は発電であり、ダム湖は「黒部貯水池」と呼ばれています。東京電力リニューアブルパワーが管理し、鬼怒川発電所(最大出力127,000kW)へ送水しています。
ダムの特徴と機能
黒部ダムは、日露戦争終結後の電力需要増加に対応するため、鬼怒川水力電気(後の東京電力)によって建設されました。
発電:鬼怒川発電所へ送水し、最大12万7,000kWの電力を発生。
施工:早川組が担当し、日本国内で比較的早期に建設されたコンクリートダムの一つ。
堆砂問題:ダム完成後、想定以上の土砂が貯水池に堆積し、貯水容量が圧迫された。
歴史と背景
鬼怒川水力電気は、東京市電気局(現在の東京都交通局)への電力供給を目的として鬼怒川の発電所建設を計画しました。その一環として、黒部ダムが調整池として設置されました。しかし、土砂の堆積によって水量調整機能が低下し、火力発電(隅田火力発電所)で補うこととなりました。
戦後、東京電力が鬼怒川水系の水力発電設備を再開発し、黒部ダムも1987年から1989年にかけて改修工事が行われました。2018年には土木学会選奨土木遺産に認定されました。
観光と周辺環境
黒部ダムは、鬼怒川上流の五十里ダムや川俣ダムなどの大規模ダム群の中に位置し、歴史的な価値があるものの、観光地としての知名度は低いです。しかし、鬼怒川温泉や日光の観光スポットと併せて訪れる価値があります。
黒部ダムの魅力
黒部ダムは、日本初の発電用コンクリートダムとして、明治時代からの電力開発の歴史を象徴する存在です。現在も発電を支え、歴史的価値が高いダムとして知られています。
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