日本のダム 藤沼ダム



藤沼ダムは、福島県須賀川市江花に位置し、阿武隈川水系江花川の支流・簀の子川に建設されたアースダム形式の灌漑用ダムです。堤高17.5メートル、堤頂長133メートル、総貯水容量1,504,000立方メートルの規模を持ちます。ダム湖は「藤沼貯水池」と呼ばれています。

ダムの特徴と機能
藤沼ダムは灌漑用ダムとして約837ヘクタールの水田を潤す役割を持ち、福島県が設置し、江花川沿岸土地改良区が管理しています。2010年には「ため池百選」に選定されました。ダム湖周辺は自然公園として整備されており、キャンプ場やバーベキュー場などが設けられています。

建設の歴史と背景
藤沼ダムの建設は1935年に測量が始まり、1937年に着工されましたが、戦争により工事が中断されました。その後、1949年に竣工し、以降も複数回の補修工事が行われてきました。しかし、2011年の東日本大震災で堤が決壊し、甚大な被害が発生しました。

東日本大震災とその影響
2011年3月11日に発生した東日本大震災により、藤沼ダムの堤が決壊し、約150万トンの水が流出して下流地域に甚大な被害をもたらしました。死者7人、行方不明者1人、家屋の流失・全壊19棟、床上・床下浸水家屋55棟という被害が報告されました。震災後、藤沼ダムの復旧が進められ、2017年4月24日に農業用水の供給が再開されました。

復旧とその後
藤沼ダムの復旧工事は2013年10月に着工され、2017年4月24日に完了しました。復旧過程で、ダム湖底には“奇跡のあじさい”と呼ばれるヤマアジサイの群生が発見され、全国に株分けされるなどの活動も行われました。

藤沼ダムの魅力
藤沼ダムは灌漑用水の供給に重要な役割を果たし、美しい自然環境に囲まれたダム湖周辺は観光地としても魅力的です。震災からの復旧を遂げた藤沼ダムは、地域の農業と生活に不可欠な存在として再びその役割を果たしています。

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