日本のダム 川治ダム
川治ダムは、栃木県日光市川治温泉に位置し、利根川水系鬼怒川の上流部に建設されたアーチ式コンクリートダムです。堤高140メートル、堤頂長320メートル、総貯水容量83,000,000立方メートルを誇り、1983年に完成しました。ダム湖は「八汐湖」と呼ばれ、洪水調節、不特定利水、灌漑、上水道、工業用水の確保を目的として運用されています。
歴史と背景
鬼怒川流域の治水・利水開発は、1929年に着工された五十里ダムから始まりました。その後、1966年に川俣ダムが完成しましたが、首都圏の人口増加や農地拡大による水需要の増加に対応するため、新たな水資源開発が求められました。これを受け、1968年に川治ダムの建設計画が策定され、1983年に完成しました。
施設の特徴
川治ダムは、アーチ式コンクリートダムとしては日本国内でも特に堤高の高いダムの一つで、洪水調節や利水のほか、鬼怒川温泉・川治温泉の景観を維持するために河川維持放流が行われています。また、ダム天端には栃木県道23号川俣温泉川治線が通っています。
観光と周辺環境
川治温泉のすぐ近くに位置し、ダム天端からは温泉街の美しい景観を一望できます。また、ダム湖「八汐湖」は釣りのスポットとしても人気があり、特に湖の上流部には枯れ木が多く、水生生物が豊富なことから、多くの釣り人が訪れます。ダム右岸には資料館があり、ダムの仕組みや役割について学ぶことができます。
川治ダムの魅力
川治ダムは、首都圏の水資源確保や洪水防止において重要な役割を果たすだけでなく、温泉地としても知られる川治温泉の景観を支える存在でもあります。観光地としても魅力的で、釣りやハイキングを楽しむことができるスポットです。
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日本のダム 今市ダム
今市ダムの概要
今市ダムは、栃木県日光市に位置し、利根川水系砥川に建設された重力式コンクリートダムです。堤高75.5メートル、堤頂長177メートル、総貯水容量9,100,000立方メートルを誇り、1978年に着工し、1988年に竣工しました。ダム湖は「今市調整池」と呼ばれ、東京電力リニューアブルパワーが管理する発電専用ダムです。
ダムの特徴と機能
今市ダムは、揚水式水力発電所「今市発電所」の下池として機能しており、上池である栗山ダムとの間で水を往来させることで発電を行います。発電所の総出力は1,050,000kWに達し、東京電力の水力発電所としては初めて50万ボルトの超高圧送電を採用しました。
歴史と背景
東京電力は、増加する電力需要に対応するため、玉原発電所に続く第6番目の揚水発電所として今市発電所を計画しました。工事は1978年に開始され、地下100メートルに建設された発電所には、最大35万kWの水車発電機3基が設置されました。1988年に最初の運用が始まり、1991年に全機稼働して完成しました。
観光と周辺環境
今市ダムへは、日光宇都宮道路の今市インターチェンジから国道121号を経由してアクセスできます。かつては東京電力のPR施設「テプコ鬼怒川ランド」があり、ダムや発電所の見学ツアーが行われていましたが、現在は閉鎖されています。
今市ダムの魅力
今市ダムは、日本屈指の揚水発電システムの一部として、安定した電力供給に貢献しています。周辺の観光地とも近く、歴史的にも重要なダムの一つです。
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日本のダム 八ッ場ダム
八ッ場ダムは、群馬県吾妻郡長野原町に位置し、利根川の支流・吾妻川中流部に建設された重力式コンクリートダムです。堤高116メートル、堤頂長291メートル、総貯水容量107,500,000立方メートルを誇り、2020年4月1日より運用が開始されました。八ッ場ダムは、洪水調節、利水、上水道、工業用水、発電といった多目的に利用されています。
建設の歴史と背景
1949年に最初に計画され、カスリーン台風のような大洪水から首都圏を守るための大規模ダムとして位置付けられましたが、建設までには長い時間がかかりました。地元住民の反対運動や、技術的な課題、環境影響の懸念もありましたが、最終的に1967年に建設が決定され、数十年の歳月をかけて2020年に竣工しました。総事業費は5320億円と、日本のダム建設史上でも最も高額なプロジェクトの一つとなりました。
観光と地域の発展
ダム湖は「八ッ場あがつま湖」と命名され、周辺地域は観光地としても注目を集めています。ダム湖やその周辺の自然景観は美しく、観光客を引き寄せる要素となっています。また、地域の生活再建として宅地の造成や公共インフラの整備が進められています。
八ッ場ダムは、首都圏の治水や水資源の確保において非常に重要な役割を果たし、長い歴史を経て完成した大規模なインフラ施設です。
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日本のダム 矢木沢ダム
矢木沢ダムは、群馬県利根郡みなかみ町に位置する一級河川・利根川の最上流部に建設されたアーチ式コンクリートダムです。堤高131.0メートル、堤頂長352.0メートル、総貯水容量204,300,000立方メートルの規模を誇り、1967年に完成しました。ダム湖は「奥利根湖」と呼ばれ、ダム湖百選にも選ばれています。主な利用目的は洪水調節、不特定利水、灌漑、上水道、工業用水、発電であり、東京都をはじめとする首都圏への水供給を担っています。
歴史と背景
矢木沢ダムは、戦前の計画と1950年代の利根川流域の洪水防止・水供給の必要性に応じて建設されました。1947年のカスリーン台風による大洪水を契機に、利根川上流に大規模なダムが必要とされ、1959年に着工されました。水資源機構が管理するダムで、首都圏の重要な水源です。
発電機能
矢木沢ダムは、240,000kWの発電能力を持つ矢木沢発電所を持ち、東京電力リニューアブルパワーが管理しています。下流にある須田貝ダムを下池として、揚水発電も行っており、首都圏への電力供給に貢献しています。
観光と周辺環境
ダム湖「奥利根湖」や周辺の自然環境は観光地としても人気があり、特に新緑や紅葉の季節には多くの観光客が訪れます。また、点検放流時には豪快な水しぶきが上がる光景を見ることができ、観光スポットとなっています。
矢木沢ダムは、首都圏への水供給や洪水調節において重要な役割を果たし、美しい自然環境と観光地としても人気があります。
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日本のダム 丸沼ダム
丸沼ダムは、群馬県利根郡片品村に位置し、利根川水系片品川左支の大滝川の最上流部に建設されたバットレスダムです。1928年に着工し、1931年に竣工しました。堤高32.1メートル、堤頂長88.2メートル、総貯水容量は13,600,000立方メートルで、発電専用のダムとして東京電力リニューアブルパワーが管理しています。
ダムの特徴と機能
丸沼ダムは、日本国内で非常に珍しいバットレスダム形式で、発電を目的としたダムです。ダムによって形成された「丸沼」の水は、一ノ瀬発電所(出力10,700kW)へ送水され、発電に利用されています。丸沼ダムは日本で最も堤高の高いバットレスダムで、土木史的価値からも評価され、2003年には「丸沼堰堤」として重要文化財に指定されました。
歴史と背景
ダムの建設は、当時の東京電燈株式会社によって進められ、丸沼の貯水量を増やして発電用水を確保するために作られました。バットレスダム形式は、コンクリートの使用量を減らす利点があるものの、地震に弱いという欠点があり、結果的に日本ではほとんど建設されなくなりました。
丸沼ダムの魅力
丸沼ダムは、発電専用ダムでありながら、文化財としての価値も高く、観光地としても注目されています。
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