日本のダム 塩田ダム
塩田ダム(しおだダム)は、栃木県矢板市塩田に位置し、那珂川水系簗目川に建設された灌漑専用のロックフィルダムです。堤高26.1メートル、堤頂長218.0メートル、総貯水容量460,000立方メートルを誇り、1977年に着工し、2000年に竣工しました。栃木県が事業主体となり、現在は矢板市役所塩田ダム管理事務所によって管理されています。
ダムの特徴と機能
塩田ダムは、簗目川の流域が比較的小さいため、少雨期には河川の流量が大きく変動しやすい特徴があります。そのため、農業用水の安定供給を目的に建設されました。
目的:灌漑専用ダムで、特に少雨時の農業用水確保に貢献
ダム形式:ロックフィルダム
施工業者:三幸建設工業
観光と周辺環境
塩田ダムの上流部には、**「栃木県民の森」**が広がり、森林浴の森100選に選ばれた自然豊かなエリアとなっています。ハイキングやアウトドア活動を楽しむことができるほか、周辺には美しい景観が広がっています。
塩田ダムの魅力
塩田ダムは、農業用水の安定供給に欠かせない重要な施設であり、周辺の豊かな自然環境とともに地域に貢献しています。
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日本のダム 蛇尾川ダム
蛇尾川ダム(さびがわダム)は、栃木県那須塩原市百村に位置し、那珂川水系箒川の支流・蛇尾川の小右支川である小蛇尾川に建設された重力式コンクリートダムです。堤高104.0メートル、堤頂長273.0メートル、総貯水容量10,500,000立方メートルの規模を誇り、1980年に着工し、1995年に竣工しました。東京電力リニューアブルパワーが管理する発電専用ダムであり、塩原発電所の下池として利用されています。
ダムの特徴と機能
発電:蛇尾川ダムは、八汐ダムを上池とする揚水発電所「塩原発電所」(最大出力900,000kW)の下池として機能しています。
那珂川水系で最も堤高が高い:那珂川水系のダムの中では最も堤高の高いダムです。
施工:間組・佐藤工業・西松建設・飛島建設・日本国土開発が共同で施工しました。
建設の背景と歴史
蛇尾川ダムは、東京電力(当時)による揚水発電プロジェクトの一環として建設されました。上池の八汐ダムと連携し、塩原発電所での発電に利用されます。1995年の完成以来、首都圏への電力供給を支えてきました。
観光とアクセス
蛇尾川ダムは、塩原温泉郷に近い位置にありますが、塩原ダムのような観光整備はされておらず、一般車両・一般人の立ち入りは禁止されています。かつては東京電力のPR施設「テプコ塩原ランド」から見学ツアーが実施されていましたが、2011年に施設が閉鎖され、現在は見学不可となっています。
蛇尾川ダムの魅力
蛇尾川ダムは、揚水発電のための重要な役割を担い、那珂川水系で最も堤高の高いダムとして知られています。一般見学はできませんが、発電用ダムとしての歴史的価値があり、首都圏の電力安定供給に貢献しています。
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日本のダム 逆川ダム
逆川ダム(さかせがわダム)は、栃木県日光市鬼怒川温泉滝に位置し、利根川水系逆川に建設されたアースダムです。堤高18.2メートル、堤頂長121.2メートル、総貯水容量92,000立方メートルを誇り、1911年に着工し、1912年に竣工しました。主な目的は発電で、東京電力リニューアブルパワーが管理しています。ダム湖は「逆川調整池」と呼ばれています。
ダムの特徴と機能
逆川ダムは、同じく発電用ダムである黒部ダム(栃木県)と連携し、鬼怒川発電所(出力127,000kW)へ送水する役割を担っています。黒部ダムから送水された水を一時的に貯め、発電効率を調整する機能を持っています。
発電専用のアースダム:発電用ダムとしては国内で2例目のアースダムであり、内部にコンクリート製の遮水壁(コア)が設置されています。
鬼怒川発電所との連携:黒部ダムからの水を受け取り、鬼怒川発電所へ送水し、最大127,000kWの電力を発生。
歴史と背景
逆川ダムは、鬼怒川水力電気(後の東京電力)によって、東京市電気局(現・東京都交通局)への電力供給を目的に建設されました。黒部ダムが水不足への備えとして建設されたのに対し、逆川ダムは出力調整用としての目的を持っています。
1912年(大正元年):下滝発電所(現・鬼怒川発電所)が完成し、翌年から送電を開始。
戦後:東京電力が管理を継承し、発電所の再開発を実施。
2020年(令和2年):東京電力リニューアブルパワーに管理が移管。
観光とアクセス
逆川ダムは、川治温泉付近の鬼怒川上流に位置し、周囲には自然豊かな環境が広がっています。
アクセスは鬼怒川温泉街から国道121号を北上し、川治温泉手前で栃木県道23号川俣温泉川治線に入ると到達できます。
逆川ダムの魅力
逆川ダムは、鬼怒川水系の水力発電を支える重要な役割を果たしており、100年以上にわたって電力供給に貢献しています。歴史的価値のある発電用ダムであり、黒部ダム(栃木県)と連携した発電システムも興味深い点です。
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日本のダム 黒部ダム 栃木
黒部ダムは、栃木県日光市黒部に位置し、利根川水系鬼怒川に建設された重力式コンクリートダムです。堤高28.7メートル、堤頂長150.0メートル、総貯水容量2,366,000立方メートルの規模を持ち、1911年に着工し、1912年に竣工しました。主な目的は発電であり、ダム湖は「黒部貯水池」と呼ばれています。東京電力リニューアブルパワーが管理し、鬼怒川発電所(最大出力127,000kW)へ送水しています。
ダムの特徴と機能
黒部ダムは、日露戦争終結後の電力需要増加に対応するため、鬼怒川水力電気(後の東京電力)によって建設されました。
発電:鬼怒川発電所へ送水し、最大12万7,000kWの電力を発生。
施工:早川組が担当し、日本国内で比較的早期に建設されたコンクリートダムの一つ。
堆砂問題:ダム完成後、想定以上の土砂が貯水池に堆積し、貯水容量が圧迫された。
歴史と背景
鬼怒川水力電気は、東京市電気局(現在の東京都交通局)への電力供給を目的として鬼怒川の発電所建設を計画しました。その一環として、黒部ダムが調整池として設置されました。しかし、土砂の堆積によって水量調整機能が低下し、火力発電(隅田火力発電所)で補うこととなりました。
戦後、東京電力が鬼怒川水系の水力発電設備を再開発し、黒部ダムも1987年から1989年にかけて改修工事が行われました。2018年には土木学会選奨土木遺産に認定されました。
観光と周辺環境
黒部ダムは、鬼怒川上流の五十里ダムや川俣ダムなどの大規模ダム群の中に位置し、歴史的な価値があるものの、観光地としての知名度は低いです。しかし、鬼怒川温泉や日光の観光スポットと併せて訪れる価値があります。
黒部ダムの魅力
黒部ダムは、日本初の発電用コンクリートダムとして、明治時代からの電力開発の歴史を象徴する存在です。現在も発電を支え、歴史的価値が高いダムとして知られています。
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日本のダム 川俣ダム
川俣ダムは、栃木県日光市に位置し、利根川水系鬼怒川の本川最上流部に建設されたアーチ式コンクリートダムです。堤高117.0メートル、堤頂長131.0メートル、総貯水容量87,600,000立方メートルの規模を誇り、1957年に着工し、1966年に完成しました。ダム湖は「川俣湖」と呼ばれ、洪水調節、不特定利水、発電を目的として国土交通省関東地方整備局が管理しています。
ダムの特徴と機能
川俣ダムは、鬼怒川上流ダム群(五十里ダム・川治ダム・湯西川ダム)の一つで、鬼怒川流域の治水および利水において重要な役割を担っています。また、東京電力リニューアブルパワーが管理する川俣発電所(出力27,000kW)で水力発電が行われています。
歴史と背景
鬼怒川流域は、古くから水害の多い地域であり、1938年の河水統制事業で治水対策が進められました。戦後、1947年のカスリーン台風の影響を受け、「利根川改訂改修計画」の一環として川俣ダムの建設が決定されました。ダム建設により、瀬戸合峡の一部が水没しましたが、現在は河川維持放流が行われ、美しい渓谷が再生されています。
観光と周辺環境
ダムによって形成された「川俣湖」は、周辺の豊かな自然と調和し、美しい景観を楽しめるスポットとなっています。また、ダム周辺には「瀬戸合峡渡らっしゃい吊橋」が整備され、ダムの壮大な景色を眺めることができます。さらに、川俣湖温泉は、ダム建設に伴って新たに掘り当てられた珍しい温泉として知られています。
川俣ダムの魅力
川俣ダムは、鬼怒川流域の洪水調節や利水に貢献するだけでなく、美しい川俣湖や瀬戸合峡の観光スポットとしても魅力的です。
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